岡本太郎「自分の中に毒を持て」を読んだ

公開日: : 最終更新日:2016/01/31

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以前から気になっていた岡本太郎の「自分の中に毒を持て―あなたは”常識人間”を捨てられるか―」。

1996年に死んだので、世代的にもあまり彼が活躍しているのは目にしていない。

「太陽の塔」や「明日の神話」はチラ見したことがあるくらいだけど、彼の力強い作風には惹かれるものがある。

どんなことが書かれているか楽しみに読んだ。

 

岡本太郎はひたすら熱い

自分をごまかさず甘やかさず、思うがまま生きろ!

社会や世間に人生の価値の判断を委ねず、自分の生命を瞬間瞬間で輝かせるんだ!

って感じのメッセージが全編に渡って書かれている印象。

「芸術は爆発だ」の言葉通り、岡本太郎は流石、熱い。

読んでいると岡本太郎と殴り合いをしているような、そんな気分にもなってくる。

方向性は違うけど、現代で対抗できるのは松岡修造ぐらいのものではないだろうか。

 

18歳でパリに渡り、多くの芸術家、哲学者、思想家などとも交流があったという。

時代は第二次世界大戦のころでもあり、全体主義の影が迫ってきていた。

彼は「危険な道をとるか、安全な道をとるか」考えた末「危険な道をとる」と決めて、ヨーロッパを離れ日本に戻った。

そして日本の芸術界でそれまで生み出されなかったような原色を大胆に使った作品を打ち出し、批判を浴びながらもそれを貫いた。

誰が何を言おうと命を懸けて闘い、運命を開くのが彼の生き方だった。

 

生き方はそれぞれあるし、岡本太郎のように徹底して妥協を許さず自分を追い込んでいくといういわばドM的な生き様は万人に好まれるものではないだろう。

本書でもたびたび出てくるのが、失敗したらむしろその方が面白いという考え方。

 

結果がまずくいこうがいくまいがかまわない。むしろ、まずくいった方が面白いんだと考えて、自分の運命を賭けていけば、いのちがパッとひらくじゃないか。

 

命を賭けるからこそ面白いのだという。

全員がそんな生き方をしていたら社会が立ち行かないかもしれないが、

そんな人間が増えたら今より面白い世の中にはなりそうである。

自分もどちらかといえば岡本太郎に共感するほうだ。

実際何かに挑戦してみてビックリするくらいうまくいかなかったら笑いがこみあげてきそうな感じがする。

 

結局岡本太郎がこの本で言っているのは自分の人生の価値判断を他の何かに求めない、ということだろう。

たとえどんな負け犬人生であろうと自分自身を保っていれば、世間が何を言おうとどんな見方をされようと問題はない。

負け犬人生と書いたけど、そもそも人生に勝ち負けなど存在しない。

そういうあり方を端的に示す例が書かれていた。

日本に戻った彼を待ち受けていたのは中国での厳しい軍隊生活。

 戦争も軍隊も知らない、いまの人たちにはわからないだろうが、「ホフク前進」という、銃を地面につけないように捧げたまま、這って前に進む訓練があった。これはキツイ。フラフラ、目もくらむまでそれをやって、最後に「突撃に前へー」という号令でパッと立ち上がって突っ込む。

また「伏せ―」という号令。息もたえだえで地面に這いつくばったとき、ぼくは目の前に小さな花がゆれているのを見た。雑草のなかに、ほとんど隠れるようにして、ほんとうに小さい、地味な、赤っぽい花だった。

そいつと鼻をつきあわせて、ぼくは、いのちがしぼりあげられるような感動にふるえた。

周りで軍事訓練をしていようと戦火が激しかろうと植物には何の関係もない。何があろうとただ凛とたたずむ姿。

死ぬ時は死ぬ。命のあり方をシンプルに伝える例だと思う。

SMAPの「世界にひとつだけの花」のような全方向向けの嫌味なメッセージなどよりよほど心に響くものがあった。

 

発想が奇抜なイメージがあるが、ありがちな近代合理主義批判もしていた。

これは結構普通によく言われるような、「世の中が豊かになって人々は~」みたいな感じ。

まぁ実際そうかもしれない。

 

とりあえず読んだら気分が燃えあがる。

せっかく生きているのだからやっぱり情熱を持って苛烈に生きたいものである。

自分自身と闘うあなたにオススメ。

 

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